2009年6月7日日曜日

外国語学習でよく言われることについて(その9)

今回は「外国語学習でよく言われることについて(その9)」を
お送りします。

※過去の「外国語学習でよく言われることについて」はこちらから
その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8

今回はヒアリング(聞き取り)に関してよく言われることですが、
「ヒアリングをのばすためには、耳を鍛えることが大切。
とにかく自然なスピードのものを何度も聞いて

音に慣れることが大切だ。」
というものです。

確かにいくら授業や独学で外国語を勉強して、
現地に行って話を聞くと、とても早く聞こえますので
この考えは正しそうに聞こえます。

このことに関する私の考えは、以下の通りです。
  1. ヒアリング(聞き取り)が難しく感じる原因のほとんどは
    音に関係ない部分にある。(実は耳の問題ではない。)
  2. 音に関係する部分も、一度コツをつかんだ上で
    繰り返し聴けば、ヒアリング(聞き取り)ができるようになる。
以下詳細をお伝えしますね。
  1. ヒアリング(聞き取り)が難しく感じる原因のほとんどは
    音に関係ない部分にある。
まず最初は、「ヒアリングが難しく感じる原因のほとんどは
音に関係ない部分にある」ということです。

「でも、本当に耳の問題じゃないの?」と思う方も
いらっしゃると思いますので、次の実験をしてみましょう。

皆さんのお手元にヒアリング教材の原稿を用意して下さい。
それでは始めますね。
  1. 音を聞くように、原稿を1回だけ止まらずに
    最後まで目を通して下さい

    (同じところを何度も読み返したりしないで読み進めて下さい)
  2. 最後まで行ったら、原稿を伏せて下さい。
  3. 何が書かれていたのかを説明してみて下さい。
いかがでしたか?
難しいと思われた方が多かったのではないでしょうか?

難しいと思う理由を挙げますと・・・
  • そもそも使われている語彙がわからない
  • 外国語の語順のままで理解できない
  • 理解しようとしている間に、次の内容が入ってきて
    焦って混乱する
ということです。
  • そもそも使われている語彙がわからない

    これはすぐにわかると思います。
    わからない語彙が出てくると、そこで止まってしまうのです。
    もしほとんどの語彙がわかっていれば、
    仮にわからない語彙が出てきたとしても、
    それまでの内容で推測することができますが、
    もしわからない語彙が大多数だと、
    全く何を言っているのかがわからなくなってしまいます。

    そのため、ある程度の年齢になってから
    外国語の学習を始める場合、

    全く意味のわからないものを聞き続けても
    「外国語の音に慣れる」という効果しかなく、
    外国語を聴いて理解できるようになるためには、
    今聴いていることの内容を一度は理解することが必要です。



  • 外国語の語順のままで理解できない

    これも非常に多いのですが、
    特に外国語を学校の授業で勉強した場合、
    和訳をすることに時間をかけていたと思います。
    そのため「すべて和訳をしないと不安」という方も
    いらっしゃると思います。

    勿論和訳をすることが前提であれば、
    非常に大切なことですが、
    通常外国語を使うことを考えると、
    正しく和訳をすることにとらわれ過ぎると、
    外国語の学習へは弊害
    となってしまいます。

    特に欧米諸国の外国語の場合には、
    日本語と語順が違うことが多いので、
    外国語の語順のままで理解ができるかどうかが
    大きなポイントとなります。


  • 理解しようとしている間に、次の内容が入ってきて
    焦って混乱する

    これは上記の2つをまとめたようなものですが、
    読んだり聴いたりして、理解するまでに時間がかかり、
    1つのことをまだ理解している最中に別の内容が入ってきて、
    焦って混乱してしまうということです。

    このためには、普段から読んだり聴いたりしたものを
    すぐに理解出来るように普段から訓練する必要があります。

    具体的な方法としては
    1. ヒアリング用の教材をディクテーション(書き取り)する。
    2. わからなかった語彙を辞書で確認する。
    3. ヒアリングの原稿と照らし合わせて確認する。
    4. 一度聴いただけで意味が即座に理解できるようになるまで
      同じヒアリングの音声を繰り返し聞く。

    これを繰り返せば、一度で即座に理解する癖がつきますので、
    さらに聞きやすく(または読みやすく)なります。
今回はヒアリング(聞き取り)に関してよく言われることについて述べ、
ヒアリング(聞き取り)が難しく感じる原因のほとんどは
音に関係ない部分にある
ことを主な原因を含めてお話ししました。
  • そもそも使われている語彙がわからない
  • 外国語の語順のままで理解できない
  • 理解しようとしている間に、次の内容が入ってきて
    焦って混乱する
これが克服できるだけでも、
あなたのヒアリング(聞き取り)力は飛躍的に向上するはずです。
ぜひ試してみて下さい。

上記の実験のように、読む場合には問題なく理解できるのに、
音声で聴くとわからないという場合になって初めて
「耳を鍛える必要がある」と言えます。
今回は長くなってしまいましたので、
音に関する部分については次回ご紹介しますね。


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